昨今取りざたされるニュースの中に教員・教育関係者による児童への性加害事件が後を絶ちません。
なぜ事件は起きてしまうのか？学校・教育機関での対策は？児童をどう守っていけばいいのか？等親は
頭を悩ませていることでしょう。
まずは今回の名古屋で起きた盗撮共有グループ事件について調べ、問題点を洗い出してみました。
ぜひ最後まで読んでいただき一緒に考えていただけたらと思います。
教室の裏切り
教員による性加害、その組織的欠陥、そして子どもたちを守るための法的防護策の進化を分析する。
事件の解剖：名古屋教員ネットワーク
2024年に発覚したこの事件は、単独犯ではなく、テクノロジーを悪用して組織化された、教職内における新たな脅威の形を示しています。このセクションでは、その手口と背景にある構造的問題を分析します。
主犯格とされる教員
森山勇二被告（42歳）
「主幹教諭」という信頼される立場を悪用。学校行事の記録係を装い、公務の中で犯行に及んだとされます。犯行グループのチャット管理者でもありました。
共犯とネットワーク
小瀬村史也容疑者（37歳）他
横浜市の教員も関与しており、犯行が県境を越えたネットワークで行われていたことを示唆しています。これは孤立した事件ではないことを物語っています。
悪用されたテクノロジー
海外の秘匿性の高いアプリ
追跡を逃れるため、エンドツーエンド暗号化やメッセージ自動消去機能を持つアプリを意図的に選択。捜査を困難にする「起訴のブラックボックス」を生み出しました。
見過ごされた危機：問題の規模
教員によるわいせつ事案は、一部の特殊な例ではありません。以下のデータは、この問題がいかに広範かつ持続的であるかを示しています。ここでは、懲戒処分者数の推移と、過去の具体的な事件のパターンを探ります。
わいせつ・セクハラ行為による懲戒処分者数（公立学校教員）
この問題は氷山の一角であり、報告されていないケースも多数存在すると考えられます。
制度の欠陥：「回転ドア」問題
なぜ加害教員が再び教壇に立つことができたのか。2022年の法改正以前の制度には、子どもの安全より加害者の権利を優先しかねない、致命的な欠陥が存在しました。ここでは、その構造的な問題を視覚的に解説します。
1. わいせつ行為
教員が児童生徒に加害
2. 懲戒免職
教員免許が失効
3. 法の抜け穴
わずか3年で免許再取得が可能
4. 再犯
別自治体で再採用され、再び加害
この「3年ルール」と、教育委員会間の情報共有が不十分だった「情報の断絶」が組み合わさり、加害者が処分歴を隠して教職に復帰する「回転ドア」を生み出していました。
防護盾の構築：2つの法的対策
社会的な批判を受け、日本は近年、子どもたちを守るための重要な法整備を進めました。ここでは、性格の異なる2つの主要な法律、「わいせつ教員対策新法」と「日本版DBS」を比較し、その仕組みと役割の違いを明らかにします。
わいせつ教員対策新法 (2022年施行)
「教員免許」に焦点を当て、わいせつ行為で処分された者が再び「教員として」働くことを防ぐための法律です。
- ✓再交付の厳格化： 自動的な3年ルールを撤廃。免許再交付の可否を教育委員会が厳しく審査。
- ✓全国データベース： 処分歴を一元管理し、採用時に全国の教育委員会が照会を義務付け。
日本版DBS (2024年成立)
より広く「子どもと接する職」全般を対象に、「性犯罪歴」の有無を確認する仕組みです。
- ✓性犯罪歴の確認義務： 学校や保育所などが、採用時に求職者の性犯罪「前科」の有無を確認。
- !限定的な範囲： 確認対象は「前科」のみで、懲戒処分歴は含まず。学習塾など多くの民間事業者は義務化の対象外。
残された課題と次の一手
法整備は大きな前進ですが、まだ完璧ではありません。加害者が規制の緩い分野へ移動する「移動の抜け穴」など、深刻な課題が残っています。ここでは、防護網の隙間を可視化し、未来に向けた提言をまとめます。
法の「盾」に残る隙間
わいせつ行為で
懲戒免職された元教員
ブロック (対策済み)
学校・保育所など（教員免許法・DBS義務化対象）
すり抜けの危険 (課題)
学習塾、家庭教師、スポーツクラブなど（DBS義務化の対象外）
提言：未来のための行動計画
立法府へ
日本版DBSの義務化範囲を、学習塾などリスクの高い民間セクターへ拡大する。
教育委員会へ
SNSリスクなど、より実践的な倫理研修を導入し、学校の閉鎖的な文化を打破する。
コミュニティへ
保護者や子どもへのデジタルリテラシー教育を推進し、被害者支援団体をサポートする。
いかがだったでしょうか？
もはや先生は聖職ではないのかもしれません。
もちろんそうではなく先生として教育に身をささげている方々がおられるのも事実。
しかし毎年200人以上の教職員がわいせつ・セクハラ行為によって懲戒免職処分をされている。
見過ごせない数です。
そして教職員再就職問題も法改正により難しくなっているものの不完全です。
今後の日本を背負っている子供たちに安心安全な未来を作っていかなければなりません。
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